時代の要請に応じて度々改正されてきた「自動車運転免許」ですが、来年また新たな区分が設けられるようです。
平成19年改正で新設された「中型免許」制度は、貨物自動車の事故を減少させた点で一定の効果をもたらしました。
反面「中型免許」を取得するためには「20歳以上、普通免許取得後2年以上」であることが必要になるため、運送業へ高卒者が就業する際の大きな障害となっている、という新たな問題が惹起されてしまいました。
街でよく見かけるコンビニエンスストアの配送のパネルバンは、その殆どが「現行の普通免許」では運転することができません。
最大積載量こそ2トンであっても、「保冷設備」「ハイブリッド設備」などの架装によって「車両総重量」が5トンを超えてしまうことが多いからです。
当社の「自動車積載専用車(セルフローダー)」は「最大積載量」が3トンですが、これもまた「車両総重量」が5トンを超えるため「現行の普通免許」では運転することができません・・・困っています。
「車両総重量」とは「車両重量」+乗車定員×55キロ+「最大積載量」
「現行の普通免許」で運転ができるのは「車両総重量」が5トン未満です。
次回の改正では「車両総重量」3、5トンから7、5トン未満の車両を運転することができる新しい区分の免許の種類が設けられます。
そしてその免許は「18歳以上で普通免許を受けていれば取得OK」ということになるようです。
高校を卒業してトラックドライバーを志す場合は、18歳の誕生日を待ってまず普通免許を取得、その後すぐに新しい貨物免許を追加する・・・といった流れになるのでしょうね。
私の世代は「セダン型」の乗用車で教習・検定を受けて免許を手にした日から
「最大積載量5t未満、車両総重量8t未満、乗車定員10人以下の車両」
を運転することができました。
今考えてみると、おおらかというか、乱暴というか・・・しかし、社会全体にある種の自制が機能していたようにも思います。
制度いっぱい、法令すれすれ。
社会の余裕のなさが経験・技量の未熟な運転を増やして、果たして事故が増加して法改正に至ったのが「中型免許」の新設だったとすれば、今回の改正は「練習・訓練の機会が設けられる」点で好ましいことかもしれません。